キーワード解説集
- 私的使用目的の複製
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権利制限規定の一つです。「テレビ番組を予約録画しておいて後日自分で見る」場合のように、個人的に、また家庭内など限られた範囲内で使用するなど、下記の条件を満たした場合は著作権者の許諾は必要ありません。
【条件】
- 家庭内など限られた範囲内で、仕事以外の目的に使用すること
- 使用する本人がコピーすること
- 誰でも使える状態で設置してあるダビング機など(当分の間は、コンビニのコピー機など「文献複写」のみに用いるものは除く)を用いないこと
- コピープロテクションを解除して(又は解除されていることを知りつつ)コピーするものでないこと
- 著作権を侵害したインターネット配信と知りながら、音楽や映像をダウンロードするものでないこと
- 自動公衆送信
- コンピュータサーバ等に蓄積された情報を、インターネットを通じてアクセスがあり次第、自動的に、アクセスがあったパソコン等に向けて送信することをいいます。インタラクティブ送信(双方向型送信)とも呼ばれます。放送や有線放送のように、同時に多数の人に送信する形態のものは自動公衆送信には当たりません。
- 写真の著作物
- 著作権法では、「写真の著作物」には「写真の製作方法に類似する方法を用いて表現される著作物を含む」とされており、一般概念の写真より広い概念です。具体的には、従来のネガ・ポジ方式の写真やデジタル方式の写真のみならず、写真染め、グラビアなども写真の概念に含まれます。なお、絵画を忠実に撮影した写真や、駅の構内などに設置された自動撮影機によるスピード写真のようなものは、一般に創作性がなく写真の著作物ではないと考えられていますが、この「創作性」は高度なものである必要はないので、素人のスナップ風景写真も写真の著作物と考えられます。
- 上映権
- 著作物を、機器(映写機、パソコン等)を用いて、公衆向けに「上映」する(スクリーンやディスプレイに映し出す)ことに関する権利です。
この権利は、「映画の著作物」に限らず全ての著作物が対象となりますが、「機器」を用いた場合に限定されているので、「現物を直接見せる」という場合は含まれません。
なお、インターネットを通じて入手し、いったんパソコン内に固定されている動画や静止画をディスプレイ上に映し出して公衆に見せる行為も「上映」に当たります。
- 上演権・演奏権
- 公衆向けに演劇等を上演することに関する権利が上演権、音楽を楽器で演奏したり歌唱したりすることに関する権利が演奏権です。
上演・演奏には、CDやDVDなどの録音物・録画物を再生することや、上演・演奏を離れた場所にあるスピーカーに伝達して聞かせることも含まれます(公衆送信に該当する場合は除く)。
- 肖像権
- 自分の姿を写真に写されたり、自分が写っている写真を無断で利用されない権利のことで、著作権とは全く別の権利です。
肖像権を定めた法律は無く、裁判での判例の蓄積により徐々に確立してきた権利です。
肖像権には、「人格権的な側面(プライバシー)」と、芸能人などに認められる「財産権的な側面」があります。
- 図形の著作物
- 地図、学術的な性質を有する図面、図表、模型その他の図形も著作物です。具体的には、道路地図、住宅地図、建築物の設計図、グラフ、地球儀、人体模型などが考えられます。
- 送信可能化
- インターネット経由でのサーバ等へのアクセスに応じて情報が送信されるようにするために、情報を「蓄積」(いわゆるアップロード)、「入力」(ウェブキャストなど蓄積を伴わない場合)等することや、既に情報が「蓄積」・「入力」等されているサーバ等をネットワークに接続することをいいます。このような行為により「蓄積」・「入力」された著作物は、「受信者からのアクセスがあり次第『送信』され得る」という状態に置かれるため、著作権法では、これらの行為を「送信可能化」と定義しています。