著作権~新たな文化のパスワード~

はじめに

この資料は,小学校,中学校及び高等学校において,各教科はもとより様々な 教育活動が展開される過程で,子どもたちが著作権に関することに触れ,他人の権利を尊重することなどについての関心を高め,理解を深めるための 「きっかけ」の例を紹介するものです。

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 この資料は,小学校,中学校及び高等学校において,各教科はもとより様々な教育活動が展開される過程で,子どもたちが著作権に関することに触れ,他人の権利を尊重することなどについての関心を高め,理解を深めるための「きっかけ」の例を紹介するものです。
 著作権を授業等の中で中心的に取り上げるのではなく,子どもたちの活動の中でトピックスのように扱いながら,権利の尊重や文化的所産の大切さについて考えることができるような場面を想定しました。

 内容は,それぞれの場面ごとに次の内容で構成されています。

  1. 各教科等の学習における子どもたちの活動場面
  2. 問題提起・話題提供の例(子どもたちに考えさせたいポイント)
  3. 教師のための解説
  4. 子どもたちに対する解説例

 なお,本書で紹介した各場面は,小学校,中学校及び高等学校の先生にご協力をいただきながら設定しましたが,これらの場面にとどまらず,各学校の様々な活動を通じた多くの場面で著作権に関することに触れていただければと思います。
 学校では,総合的な学習の時間をはじめ様々な場面において,子どもたちが主体的に調べる学習活動が活発に行われることが想定されます。著作権法では,そのような活動についてもできるだけ自由に利用できるよう,了解を得る必要がない範囲が拡大されていますが,文化や権利といった財産を尊重することについては適切に指導していただくようお願いします。

 また,さらに著作権に関する基本的な情報が必要になれば,文化庁ホームページに「著作権制度の概要」を解説した記事等を掲載していますので,ぜひ参考にしてください。
https://www.bunka.go.jp/seisaku/chosakuken/seidokaisetsu/gaiyo/

 この事例集に対するご意見やご感想があれば,下記までお寄せください。それらを参考にしながら事例の追加や内容の充実を図っていきたいと考えています。

お問い合わせ先:文化庁著作権課 03-5253-4111
なお,電子メールでの問い合わせは,ckyouiku@bunka.go.jpにお願いします。

 

著作権に関する指導にあたって

 本資料に掲げている場面での指導にあたっては,詳細な著作権法の規定などに触れることにこだわらず,子どもたちの発達段階に応じ,

  1. 人がそれぞれの思いを込めて創作した作品を尊重する気持ちをもつようにすること
  2. 他人の作品を勝手に使うのではなく,了解を得て使うことが必要なことに気づかせること
  3. 他人が創作した作品を利用するとき(特に,個人的な利用をこえて利用するとき)には,自分の作品が同じように使われたときにどう思うかということを考えてみること
  4. 他人の了解を得るということは一種の契約であり,それは社会のルールであることを理解させること
などをねらいとして話しかけてみてください。

 また,子どもたちの状況の把握にあたっては,教師と子どもたちの間又は子どもたち同士の対話などを通じて,例えば,

  1. 自分のものと他人のものとの区別ができているか
  2. 相手の了解を得る必要がない場合であっても,作品の価値や作者の心情を認めることができているか
  3. 他人の作品を丁寧に扱うことができているか
  4. 芸術的・文化的所産を大切にすることと,権利・義務との関連に気づくことができたか
などの観点から子どもたちの活動を観察するなどしてください。

 これらの観点からみて子どもたちによりよく身についた点については,話しかけや連絡帳・通知表へのコメント記入など適切な方法で子どもたちに伝え,著作権についての意識や理解などが一層深まるように働きかけることが大切です。

ご利用にあたって

 各場面の右上には学校種別を記していますが,これは場面で採用した事例から適当と思われる発達段階を便宜上示したものですので,必ずしもこの種別にとらわれる必要はなく,子どもたちの実態や活動場面に応じて活用してください。

 この事例集で教科等ごとに紹介した場面は,必ずしもその教科等でしか活用できないものばかりではありませんので,示された教科等以外でも類似の場面があれば工夫して活用してください。

各場面の【教師のための解説】の欄には,作者(著作権者)の了解が必要である旨を記載しているものがあります。これらの了解の手続きについては,一般的には必ずしも文書で処理する必要はなく,口頭でも有効ですが,利用の範囲や方法その他の条件について後日の紛争を避けるためには,文書で明確にしておくほうがよりよいでしょう。団体が著作権を管理している場合には,一定の書式が定められているケースがあります。

場面目次

国語

国語の授業で

社会

社会の授業で1

社会の授業で2

算数・数学

算数の授業で

理科

理科の授業で1

理科の授業で2

音楽

音楽の授業で

図画工作

図画工作の授業で

美術

美術の授業で

保健体育

体育の授業で

技術・家庭・情報

技術・家庭・情報の授業で

家庭

家庭の授業で

外国語

--------------

道徳

道徳の授業で

特別活動

学級活動・HR活動で

学校行事で1

学校行事で2

生徒会活動で

総合

総合的な学習の時間で1

総合的な学習の時間で2

その他

夏休みの課題提出で

参考資料一覧

著作権者の了解なしに利用できる場合

私的使用のためのコピー(第30条)

 個人的に又は家庭内などの限られた範囲内で,仕事以外の目的で,使用する本人がコピーする場合の例外規定です。(仕事に関連する場合には,下記の例外規定が適用されることもあります。)

(具体例)
  • テレビで放送される映画を自分で楽しむためにダビングする場合
  • インターネットでみつけたきれいな写真を自分で楽しむためにパソコンに保存する場合
「引用」のためのコピー(第32条)

 発表用資料やレポートの中で他人の作品を「引用」して利用する場合の例外規定です。

(具体例)
  • 先生が,研究会の発表資料を作る際に,指導の成果を解説するための素材として子どもたちの読書感想文の一節を「引用」して使う場合
  • 地域産業の歴史について調べている子どもたちが,自分の考えを記述するにあたり,博物館のホームページから入手した郷土の歴史の文章の一部分を「引用」し,自らの考えを補強する場合
  • ある画家の一生を取り上げた美術部の生徒が,発表資料を作る際に,表現技法の解説のため何点かの作品を「引用」して使う場合
教育機関でのコピー(第35条第1項)

 先生又は子どもたちが,教育の教材として使うために他人の作品をコピーして配布する場合の例外規定です。

(具体例)
  • 先生が授業で使用するために,小説などをコピーして子どもたちに配布する場合
  • 子どもたちが,「調べ学習」のために,新聞記事をコピーして,他の子どもたちに配布する場合
教育機関での送信(第35条第2項)

 「主会場」で行われている授業(教材として他人の作品を使用したもの)を遠隔地にある「副会場」へ同時中継する場合の例外規定です。

(具体例)
  • 主会場において,先生が教材を掲示する「地図」「図表」などを副会場に向け,送信する場合
試験問題としてのコピーや送信(第36条)

 試験又は検定のために,他人の作品を使った入学試験問題をコピーし配布する場合及び当該試験問題をインターネットなどで送信する場合の例外規定です。

(具体例)
  • 小説や社説などを用いた試験問題を出題する場合
  • 小説や社説などを用いた試験問題をインターネットなどによって送信して出題する場合
非営利・無料の場合の上演等(第38条第1項)

 学芸会,文化祭,部活動などで他人の作品を上演・演奏・口述(朗読等)・上映する場合の例外規定です。

(具体例)
  • 文化祭などで,ブラスバンド部の演奏や演劇を行う場合

著作権関係団体一覧

電子メールや電話で問い合わせをするときは…

  1. ホームページにFAQ(解説)やQ&A,など情報はないか確認して下さい。
  2. 相談・質問事項をまとめてから聞くようにして下さい。
  3. 相談先の業務に支障を及ぼさないよう,マナーやエチケットを心がけて下さい。

 

団体名

URL

電話番号

一般相談

(社)著作権情報センター(CRIC)

03-5333-0393

著作権に関する相談を電話で受け付けています。

コンピュータプログラム

(社)コンピュータソフトウェア著作権協会(ACCS)

03-5976-5175

(一財)ソフトウェア情報センター(SOFTIC)

03-3437-3071

文芸

公益社団法人日本文藝家協会

03-3265-9657

脚本

(協)日本脚本家連盟

03-3401-2304

(協)日本シナリオ作家協会

03-3584-1901

実演

(社)日本芸能実演家団体協議会(芸団協)実演家著作隣接権センタ-(CPRA)

03-3379-3571

文献複写

(社)日本複写権センター(JRRC)

03-3401-2382

書籍・出版

(社)日本書籍出版協会(JBPA)

03-3268-1303

音楽

(一社)日本音楽著作権協会(JASRAC)

03-3481-2121

(一社)日本レコード協会(RIAJ)

03-5575-1301

(一社)日本楽譜出版協会

03-3257-8797

ネットワーク音楽著作権普及・啓発プロジェクト

 

放送

日本放送協会(NHK)

0570-066-066

(一社)日本民間放送連盟(JBA)

03-5213-7717

私的録音

(一社)私的録音補償金管理協会(SARAH)

03-3261-3444

ビデオ・映画

(一社)日本映像ソフト協会(JVA)

03-3542-4433

(一社)日本映画製作者連盟

03-3243-9100

日本国際映画著作権協会(JIMCA)

03-3265-1401

美術

(社)日本美術家連盟

03-3542-2581

日本写真著作権協会

03-3221-6655

(公財)日本グラフィックデザイナー協会

03-5770-7509

肖像権

肖像パブリシティ擁護監視機構(JAPRPO)

03-3226-0984