著作権なるほど質問箱

トップページ
更新履歴
著作権制度の概要
トピックス
関連用語
最近の法改正について
関係法令
セミナー・シンポジウムのお知らせ
著作権教育情報
著作権関係団体へのリンク
ご意見・ご感想
文化庁のホームページ
著作権制度の概要

前のページへ 著作権制度の概要トップへ 次のページへ


7.他人の著作物を「利用」する方法


(3)ビジネスとして利用する場合のその他の仕組み

 企業などのビジネスとして他人の著作物等を利用する場合も、当然ですが権利者の了解を得ることが必要です。しかしビジネスの場合は、多くの著作物を継続的に利用し、大量にコピー・販売することがあるため、次のようなことも行われています。

1 著作権の「譲渡」

 広い意味の著作権(「著作者の権利」と「著作隣接権」)のうち、「人格権」以外のもの(財産権)は、契約によって他人に譲り渡すことができます。これは、もちろん個人間でも可能ですが、広くビジネスを展開する場合には、権利を譲り受けておくことも行われています(この場合「人格権」について、例えば「行使しない」などといった契約がされていることが多いようです)(第61条)。

全ての著作権を譲り受けたいときは、「全ての著作権を譲渡する」と規定するだけでは不十分です。著作権法では譲渡人の保護規定があり、(第61条第2項)後日のトラブルをさけるためには、「全ての著作権(著作権法第27条及び第28条の権利を含む)を譲渡する」と契約する必要があります。

 なお、著作権は分割して譲渡することもできます。例えば、複製権などの支分権ごとの譲渡、期間を限定した譲渡、地域を限定した譲渡(米国における著作権)などの方法が考えられます。

 また、「ポスター」や広報用の「ビデオ」などの製作を「外注」した場合、著作者となって著作権を持つのは「受注者」となりますので、「発注者」が納品された著作物を自由に利用したいのであれば、発注の時点で「著作権を発注者に譲渡する」とか「受注者(著作者)は、発注者の行為について人格権を行使しない」といった契約をしておくことが必要です。
なお、市民グループなどの仲間が集まって著作物を創った場合は、仲間内であるため、グループとしてそれを利用したり、他の市民グループによる利用を(全員の意思として)了解するようなことは容易であるため、権利の譲渡や移転はする必要がないと思いがちです。しかしこのような場合、メンバーに出入りがあったり、亡くなった方がいて相続が行われたりすると、「誰が権利者か」ということが不明確になってしまいます。このため、権利をグループ(人格なき社団)に譲渡したり、「人格権を行使しない」というルールを作っておくことが適切です。

2 「出版権」の設定

 出版社などが著作権者と契約して「本」を「出版」(「コピー」して「販売(公衆に譲渡)」すること)するときには「出版権の設定」という契約をすることがあります。著作権者は「複製権」(無断でコピーされない権利)を持っていますので、出版社が本を出版するためには、著作権者からそのための了解を得る(「契約」をする)必要があります。

 このとき、その出版社(A社)が「独占出版」をしたい場合には、著作権者と「著作権者は、他の出版社には出版を了解しない」という契約をしておく必要があります。しかし、そのような契約をしても、著作権者がその契約を破って、別の出版社(B社)にも出版を了解してしまうかもしれません。

 この場合、A社ができることは、「著作権者を契約違反で訴えること」だけで、「無断でコピーされない権利」を持っていない(A社もB社も、「著作権者」から「了解」を得ているだけ、という同じ立場)ために、B社の出版を差し止めることはできません。

 こうした場合に備えて、著作権者が持つ「無断でコピーされない権利」のうち「出版」に関する部分をA社に移しておく(他人が無断で出版することを、A社が差し止められるようにしておく)のが、契約によって作られる(著作権者から部分的に移転される)「出版権」というものです(第79条〜第88条)。

3 文化庁長官の「裁定」による利用

ア 著作権者が不明である場合
      
 相当な努力をしても「誰が著作権者なのか」ということが不明な場合や、著作権者の居場所が不明で契約のための交渉ができない場合には、文化庁長官の「裁定」を受け、通常の使用料に相当する「補償金」を供託することによって、著作物を利用する道が開かれています(第67条)。

イ 放送のための利用

 著作物を放送したいときに、著作権者との契約交渉がうまくいかない場合には、文化庁長官の「裁定」を受け、通常の使用料に相当する「補償金」を著作権者に支払うことによって、著作物を利用する道が開かれています(第68条)。

ウ レコードの製作・販売のための利用

 発売の日から3年を経過した市販レコード(CDなど)に録音されている音楽を、他の市販レコードに録音して販売したいときに、著作権者との契約交渉がうまくいかない場合には、文化庁長官の「裁定」を受け、通常の使用料に相当する「補償金」を著作権者に支払うことによって、著作物を利用する道が開かれています(第69条)。


前のページへ 著作権制度の概要トップへ 次のページへ
このページのトップへ