著作権なるほど質問箱

トップページ
更新履歴
著作権制度の概要
トピックス
関連用語
最近の法改正について
関係法令
セミナー・シンポジウムのお知らせ
著作権教育情報
著作権関係団体へのリンク
ご意見・ご感想
文化庁のホームページ
著作権制度の概要

前のページへ 著作権制度の概要トップへ 次のページへ


4.著作者の権利


(2) 著作者

1 「著作者」とは

 著作者とは、「著作物を創作した人」のことです(第2条第1項第2号)。一般には、小説家や画家や作曲家などの「創作活動を職業とする人」だけが著作者になると考えられがちですが、創作活動を職業としていなくても、作文・レポートなどを書いたり、絵を描いたりすれば、それを創作した人が著作者になります。つまり、小学生や幼稚園児などであっても、絵を描けばその絵の著作者となり、作文を書けばその作文の著作者となります。上手いか下手かということや、芸術的な価値などといったことは、一切関係ありません。

 また、私たちが手紙を書けば、多くの場合、その手紙が著作物となります。私たちは、日常生活を送る中で、多くの著作物を創作しています。ただ、そうした著作物が出版されたり、放送されたりして経済的に意味のある形で利用されることがほとんどないため、著作者であることや著作権を持っていることを意識することが少ないだけのことです。

 なお、著作者とは「著作物を創作した人」のことであるため、著作物の創作を他人や他社に委託(発注)した場合は、料金を支払ったかどうか等にかかわりなく、実際に著作物を創作した「受注者側」が著作者となります。このため、発注者側が納品後にその著作物を利用(例:自社のコピー機による増刷など)するためには、そのための契約をあらかじめ交わしておくことが必要になりますので、注意を要します。

2 法人著作(職務著作)

 著作者になり得るのは、通常、実際の創作活動を行う自然人たる個人ですが、創作活動を行う個人以外が著作者となる場合が法律により定められています。例えば、新聞記者によって書かれた新聞記事や、公務員によって作成された各種の報告書などのように、会社や国の職員などによって著作物が創作された場合などは、その職員が著作者となるのではなく、会社や国が著作者となる場合があります(第15条)。

 しかし、会社や国の職員などが創作した著作物のすべてについて、会社や国などが著作者になるわけではありません。

 次に掲げる要件をすべて満たす場合に限り、会社や国などが著作者になります。(なお、プログラムの著作物については、公表されない場合も多いため、(d)の要件を満たす必要はありません。)

法人著作の要件
(a) その著作物をつくる「企画」を立てるのが法人 (注)その他の「使用者」(例えば、国や会社など。 以下「法人等」という) であること
(b) 法人等の「業務に従事する者」が創作すること
(c) 「職務上」の行為として創作されること
(d) 「公表」する場合に「法人等の名義」で公表されるものであること
(e) 「契約や就業規則」に「職員を著作者とする」という定めがないこと

(注) 著作権法上の「法人」について
 著作権法上の「法人」には、「法人格を有しない社団又は財団で代表者又は管理人の定めがあるもの」を含むこととされています(第2条第6項)。このため、自治会、PTAのような団体もこれに含まれます。

3 「映画の著作物」の著作者

 「映画の著作物」については、「プロデューサー」、「監督」、「撮影監督」、「美術監督」など、映画の著作物の「全体的形成に創作的に寄与した者」が著作者となります。 原作、脚本、映画音楽など、映画の中に「部品」などとして取り込まれている著作物の著作者は、全体としての「映画」の著作者ではありません (映画をコピーするときには、これらの「部品」なども同時にコピーされるため、これらの人々の了解も得ることが必要) (第16条)。

 なお、映画の著作物については、「著作者の権利」のうち「財産権」の部分が、自動的に監督等の著作者から映画会社に移ることとされています(第29条)。

 具体的には、以下のようになります。
(a) 個人が自分だけで「映画の著作物」を創った場合、その人が著作者となり、「著作者の権利」の全部(「著作者人格権」「財産権」)を持つことになります。
(b) 映画会社が、社員だけで「映画の著作物」を創った場合、「法人著作」(12頁参照)となり、映画会社が「著作者の権利」の全部(「著作者人格権」「財産権」)を持つことになります。
(c) 映画会社が、外部の映画監督等に依頼して「映画の著作物」を創った場合、映画の著作物については、「著作者の権利」のうち「財産権」の部分が、自動的に監督等の著作者から映画会社に移ることとされており(第29条)、このため、映画会社が「財産権」を持ち、監督等は「著作者人格権」のみを持つことになります。


前のページへ 著作権制度の概要トップへ 次のページへ
このページのトップへ